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【低学年サッカー】『勝ちにこだわる』のは悪なのか?伝え方が問題なんです

勝ちにこだわるのは悪なのか サッカー

「小学校の低学年のうちは、サッカーを楽しむのが一番大切なことだ」
「勝負にこだわるのはもっと先で良いでしょ?」

サッカーの指導者の間では定期的に話題になる「勝利か育成か問題」です。

私の周りでも忘れた頃にこの問題が現れます。

大抵の場合、

「今は目先の勝利にとらわれるよりも、子供の将来に繋がるような指導をしましょう。(だから楽しむことが最重要事項ですよ)」

みたいな論調のことが多い気がします。

でも本当に低学年のうちはサッカーが楽しめればそれで良いのでしょうか?

今回の記事は、小学校低学年のサッカーで勝ちにこだわるのは悪なのかということについて考えてみたいと思います。

結論から言うと、勝ちにこだわるのは正しいと思います。なぜなら「負けても良い試合」は存在しないからです。

ただし”こだわり方”には注意が必要です。

それでは早速始めていきましょう。

どうぞ。

こういうのは「勝ちにこだわる」とは言わない

サッカーボールを競り合う小学生


勝ちにこだわることの定義は指導者の考え方や想いによって様々です。しかし「勝つためなら手段を選ばない=勝ちにこだわる」ではありません。代表的な例を挙げてみます。

ベンチに控えがいるのに選手は固定


小学生のサッカーは基本的に8人制ですが、1年生や2年生くらいだと7人以下で行うことも。

しかしたまに見かけるのですが、試合の最初から最後まで同じ選手しか出場させないチームがあります。もちろんベンチには控えの選手がいます。

たぶんですが、上手い順にスタメンにして、試合状況を見ながら選手起用を考えているのだと思います。

選手起用といっても交代があるのは、逆転されないくらいの得点差(だいたい5点差くらい)がついた時だけ。拮抗している試合や押し込まれている場合は、たとえ怪我をしていたり体調が悪くてもエース級の選手を引っ込めるようなことはしません。

流れが悪くなればすぐに元に戻すので、言ってみれば毎試合温情采配しているような感じです。

ロングボールを多用


前線に一人足の速い子を残しておいて、後ろから長いボールをドーン!ドーン!と放り込む戦術です。

必然的にセンターバックにはチームで一番キック力がある子が置かれ、中盤をすっ飛ばして長いボールを相手裏のスペースに蹴り続けます。

戦術なのでチームの考え方になるんでしょうけど、子供たちの将来については不安しか感じられません。

途切れることのないベンチからの指示


「ほらっ後ろにいる選手カバーしろ!」
「今のはシュートだろっ!」
「そーじゃない!ドリブルで運べっ!」

こんな感じで試合中ずっとベンチから選手に指示を出している監督・コーチっていますよね。それを聞いて、ギャラリー席からも同じように指示?みたいなことを言っちゃう保護者さんたち。

言いたくなる気持ちはわかりますが、言われている子供たちはどう感じてるんでしょうか?

自分で考えて判断・選択したプレーを「ちがう!!」って言われると、そのうち「コーチに言われた通りにプレーするのが正解」って思ってしまって、自分で考えてプレーすることをやめてしまうんじゃないでしょうか。

それって本人にとってマイナスでしかないと思うのですが。

で、勝ちにこだわるのは悪なのか?

サッカーボールをパスする子供


だからといって

「勝ちにこだわるのはけしからん!」

ってことにはもちろんなりません。

むしろ勝ちにはこだわるべきです。

サッカーが得点を競うスポーツである以上、負けてもいい試合というのはないからです。もし勝たなくても良いのなら、そもそも競技として成立しませんしね。

勝ちにこだわる心を育むために、1対1のトレーニングでも、リフティングの回数でも、ジグザグドリブルでも、とにかく競い合う以上勝つことにはこだわりを持たせるのは大切なことです。

そして同じくらい大切なことは、敗戦を受容することです。勝者がいれば当然敗者がいるわけで、サッカーは勝ったり負けたりするスポーツです。

それなのに、試合で負けると泣き崩れるチームがあります。悔しい気持ちは分かりますが、それって負けを受け入れてないし、勝ちにこだわっているのともちょっと違うかなと思いますね。

負けられない戦いがあるのは、サッカーで飯を食っていたり国を背負っている一握りのサッカー選手だけです。

こだわりの育て方が大切


勝利に対するこだわりを育てる方法は注意が必要です。

先ほどの例のように、勝つために手段を選ばないようなやり方は子供たちの将来のことを考えるとプラスになるとは考えにくいでしょう。

子供たちの判断・決断を尊重した上で、全ての子供に試合に出てプレーするという経験の機会を与え、勝利を勝ち取る采配を考えるのが監督コーチの仕事です。

そして何よりも大切なのは、負け=ダメな選手ではないということです。

勝敗の部分では勝ちにこだわりながら、個々の選手に対しては絶対評価(昨日と今日の成長を認める)をすることが必要です。

まとめ

では今回の記事のまとめです。

・勝ちにはこだわるべき
・負けていい試合はない
・負け=ダメな選手ではない
・個々の選手には絶対評価をする


私もつい熱くなって声が大きくなってしまう瞬間があります。

でもそんな時は「この発言は自分に言っているのと同じだ」と自分に言い聞かせて冷静になるようにしています。

今日は「勝ちにこだわるのは悪なのか」というテーマでしたが、あなたはどう思いましたか?

それではまた!


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