日本サッカー協会から、サッカー 競技規則21/22改正のアナウンスがありました。
毎年この時期に改正のアナウンスがあるのですが、今回の目玉はハンドのルール改正です。
どのように変わったのか気になりませんか？早速詳しく見ていきましょう！
ハンドのルールが変わります
今回のハンドのルール改正でもっとも重要なポイントは、選手の手・腕にボールが当たっても、全てが反則になるわけではないと明示されたことです。
ハンドのルール改正のポイント
- 選手の手や腕にボールが当たっても、全てが反則になるわけではない
- 手や腕の位置だけではなく、動かし方の妥当性でハンドの反則かどうかを判断する
- 偶然自分の手や腕にボールが当たった後に、味方が得点したり得点の機会を得ることは反則ではない
選手の手や腕にボールが当たっても、全てが反則になるわけではない
選手の手や腕にボールが当たっても反則にならないケースがあるということがはっきり示されました。これにより、手や腕にボールが当たったからといってすぐ「ハンド！ハンド！」とアピールするような場面は減るかもしれません。
手や腕の位置だけではなく、動かし方の妥当性でハンドの反則かどうかを判断する
以前19/20の改正で、手や腕が肩より高い位置にあったり、腕を広げたりして不当に体を大きくした時にボールが手・腕に当たった場合はハンドの反則という基準が出来ました。
しかし今回の改正で、状況によって手や腕の位置・動かし方が妥当かどうかを審判が判断し、ハンドに該当するかどうかジャッジすることになります。
例えば、相手のシュートブロックに入ったDFの顔を覆った手にボールが当たった場合は、「顔に当たりそうなボールを防ごうとした」という動きに妥当性がある為、ハンドにはなりません。
同じケースでも、体から離れた状態の手や腕にシュートが当たった場合は、「不当に体を大きくした」とみなされハンドになることがあります。
ただしこの場合でも、なぜ体から手・腕が離れたのかという理由によってはハンドではない場合があります。例えば体勢のバランスを取るためなど不自然ではない動きの結果、体から離れた手・腕にボールが当たった場合は、ハンドでは無いと判断することがあります。
偶然自分の手や腕にボールが当たった後に、味方が得点・得点の機会を得ることは反則ではない
偶然自分の手にボールが当たった後に、味方が得点したり得点の機会を得ることはハンドの反則ではなくなります。
例えば偶発的にあなたの手に当たったボールを味方プレーヤーがシュートを決めればゴールが認められます。
ただし手や腕にボールが当たった本人がシュートを決めたり、手や腕に当たったボールが直接ゴールに入った場合はハンドの反則です。
実は昨年・一昨年もハンドのルールは改正している
実は昨年・一昨年の競技規則改正の時にも、ハンドのルールについての変更がありました。
ボールが次のとおり競技者の手や腕に当たったときは、罰せられることになる
（JFA:2019/2020競技規則の主な変更より）
： 通常“不自然”と考えられる肩の高さより上に手や腕をもっていく（ボールを意図的に プレーしているときを除く）ことでリスクを負っている。
手や腕を体から離し体を不自然に大きくすることにより、不当に体の幅を大きくする。
（偶然であったとしても）ボールが手や腕に当たり、直接得点となる。
（偶然であったとしても）手や腕に当たったボールを保持したり、コントロールした後 得点する、あるいは、得点の機会を得る。
しかしながら、上記の状況を除き、競技者は次の場合には通常ボールが手や腕にあたっても罰せ られることはない： 競技者自らの体、または（どちらのチームということなく）近くにいる他の競技者から 来たボールで、ほとんど避けることができない場合 競技者が転倒し、体を支えるため手や腕が体とグランドの間にある場合
・偶発的にボールが攻撃側競技者の腕や手に当たった場合、当たった「直後」に得点、また、その競技者やチームが決定的な得点をする機会を得た場合のみ罰せられることになる（例えば、ボールが手や腕に当たった後、ボールがほんの短い距離しか移動しなかったり、数少ないパスしか行われなかった場合など）。
（JFA:2020/2021競技規則の主な変更より）
・ ハンドの反則になるかどうかの判断をするために、「腕」は脇の下の一番奥の場所の位置までと定義することとした。
にもかかわらず今回またしてもハンドの反則についての改正があったのは、過去の変更点が十分に浸透せず解釈がまちまちだった為に現場での混乱があったという背景があるようです。
また、SNS上ではわかりにくいという意見もちらほら
そもそもルールがシンプルなところがサッカーの魅力の一つだったはずですが、これだけ頻繁に変更があると、ルールを覚えるだけでも大変。ここ2年の改正が今ひとつ浸透しなかったということは、実はそんなに重要視すべきポイントじゃないのではという気がしています。
僕は小学生の試合の審判をすることがありますが、正確なジャッジができるかどうかはとても難しいというのが正直なところです。
いつから適用されるの？
2021/22競技規則の適用開始日は、リーグやカテゴリー各種大会によって異なります。
- Jリーグ（J1〜J3） 6月19日
- ルヴァンカップ 9月1日
- JFL 6月19日
- WEリーグ 9月中旬予定
- なでしこリーグ 1部6月19日 2部6月20日
- 天皇杯 7月7日（3回戦）
- 各種全国大会 原則7月25日
- 地域・都道府県FA主催大会 遅くとも2022年4月1日
まとめ：慣れるしかありません
今回のハンドのルール変更に「またかよ〜」という意見もあるとは思いますが、競技規則の改正があった以上、慣れていくしかありません。
指導者や審判をする人は、理解を深めていく必要がありますし、プレーする選手は理解するとともに自分でジャッジせず最後までプレーすることが求められます。
ルールを理解して、よりサッカーを楽しめる環境作りに貢献できるようになっていきたいですね。
ではまた！
