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未経験でもわかりやすいサッカー審判のやり方を説明します!

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お子さんがサッカーをしている人の中には、試合で審判をお願いされる人も多いんじゃないでしょうか。

練習試合やフェスティバルなどでは審判ライセンス不要のこともあるので、未経験の人にとってはかなり緊張しますよね。

この記事では未経験や初心者の方に向けて、わかりやすくサッカー審判のやり方を説明します。

僕は4級ライセンスを持っていて10年以上少年サッカーの指導者をしていて、これまで審判もたくさんしてきました。その経験から「初心者の人に審判をお願いするならこれだけは押さえて欲しい」という目線で説明していきます。

この記事を読めば審判のライセンスを持っていない人も、最低限知っておきたいルールやコツがわかるようになり、自信を持ってサッカーの審判ができるようになりますよ。

では始めましょう!

未経験でもわかりやすいサッカー審判のやり方

今は小学生の試合は一人審判が主流なので、この記事では審判=主審という前提で進めていきます。

審判がやることは5つ

まずサッカーの試合で審判がやること(役割)について説明します。

競技規則を読むと『主審は・競技規則を施行する。・その他の審判員と協力して試合をコントロールする。・タイムキーパーを務め、また試合の記録を取り、関係機関に審判報告書を提出する。・プレーの再開を管理し合図する』とあります。

しかし、前述のように少年サッカーの試合では一人審判が主流ですし、すぐに審判をする必要に迫られている場合、隅々までくまなく勉強をする時間もありません

そこで下記のように審判がやることを少しわかりやすく整理してみました。(クリックでジャンプします)

かなり大雑把ですが、審判がやることはおおむね上記の5つです。

もちろん他にも細々とした仕事がたくさんあるのですが、取り急ぎこの5つを頭に入れておけば、審判としてゲームを進めることができます。

ひとつずつ見ていきましょう。

コイントス(ジャンケンはNGです)

コイントスはコインを投げて裏表を出す行為で、コイントスに勝った方のチームが、前半に攻めるゴール、あるいはキックオフを行うのかを決めることができます。

以前はコイントスに勝った方が前半に攻めるゴールを決める・負けた方のチームがキックオフでしたが、ルール改正によって勝った方がどちらか選べるようになりました。

コイントスの方法ですが、競技規則上の指定はありません。ただ、これまでいろんな人のコイントスを見てきた感じでは、①真上に投げたコインを地面に落ちる前にキャッチする、②真上に投げたコインが地面に落ちるまで触らないの2つの方法が多いです。

①の場合でも片手でキャッチする人、両手でキャッチする人、片方の手の甲でぱちっとやる人などバラバラですので、試してみて自分のやりやすい方法を見つけてみましょう。

ちなみに僕は②の方法です。

たまにジャンケンで決める審判を見かけますが、ジャンケンはあまりお勧めしません

些細なことですが審判の「信頼性」も大きく左右されるくらいのつもりでコインを準備しておきましょう。専用のトスコインは大体700円前後で手に入ります。

プレーの開始/再開/終了の合図

プレーの開始/終了の合図は下記のような場面で行います。

  • 前半のキックオフ (ピー)
  • 前半の終了 (ピッピピー)
  • 後半のキックオフ  (ピー)
  • 後半の終了 (ピッピッピー)
  • ペナルティキックを蹴る合図 (ピー)

上記のような場面で、ホイッスル(笛)を吹いて合図します。笛の吹き方は右側のカッコ内を目安にしてください。

笛の音があまりにも小さいと、自信が無い印象になってしまうので、笛の音が選手にしっかり聞こえるようにキレ良く吹きましょう

基本的にゴールキックやコーナーキック、フリーキックの際には笛は吹ません。得点の際も、ゴールに入ったかどうか微妙な時以外は笛を吹かずセンターサークル方向を指すゼスチャーだけです。

しかしペナルティキックの時には審判の合図が必要なので笛を吹きます。

笛の種類に規定はありませんが、あまり安価なものだと途中で音が出ない等のトラブルになってもいけませんので、専用のものをお勧めします。

首から下げるタイプは走る時に邪魔なので、手首にかけるストラップがついているタイプが便利です。こちらのホイッスルで700円前後。

ボールがコートを出た時のジャッジ

サッカーコートの長い辺2本をタッチライン、短い辺2本をゴールラインと呼びます。

これらのラインを割ってコートの外にボールが出た時にアウトオブプレー(試合が一旦途切れた状態)になり、タッチラインを割った場合はスローインから、ゴールラインの場合はゴールキック、またはコーナーキックで再開します。

ラインの名前最後にボールを触ったチーム再開方法審判のジェスチャー
タッチライン(長い辺)最後にボールを触ったチームと
逆のチームのスローイン
スローインをするチームが攻める方向を指す。
スローインをする側のタッチラインに正対して、地面と並行に腕をまっすぐ伸ばす。
ゴールライン(短い辺)攻撃側チーム守備側のゴールキックゴールキックをするチームが守るゴールを指す。
地面と並行よりやや下向きに腕を伸ばす。
ゴールライン(短い辺)守備側チーム攻撃側のコーナーキックコーナーキックをする方向を指す。
地面と並行よりやや上向に腕を伸ばす。

タッチラインを割った場合の再開方法はスローインだけです。最後にボールを触った方じゃないチームがスローインで再開します。

ゴールキックを割った場合の再開方法は、どちらのチームが最後にボールを触ったのかによって異なります。

攻撃側チームが最後に触ってゴールラインを割った場合、たとえばシュートがゴールの枠を外れた時などは、守備側チームのゴールキックで再開です。

攻撃側チームが最後に触ってゴールラインを割った場合、たとえばシュートがディフェンスに当たってゴールラインを割った場合などは、攻撃側チームのコーナーキックで再開します。

それぞれ再開する際に注意したいポイントをまとめておきます。

スローインの注意点
  • スローインから直接ゴールはできない 
  • スローインからオフサイドは無い
ゴールキックの注意点
  • ゴールキックはゴールエリアの中ならどこから蹴っても良い
  • ゴールキックを蹴るまでは、相手チームはペナルティエリアの中に入れない(味方は良い)
コーナーキックの注意点
  • コーナーキックはボールが出た場所に近い方のコーナーを指す 
  • コーナーキックから直接ゴールはあり 
  • コーナーキックからオフサイドは無い

もうひとつ大切なこととしては、ラインを割ったかどうかのジャッジがあります。

誰がみても明らかにコートの外にボールが出たような場合は分かりやすいのですが、混戦の中や際どいタイミングなど近くでみないと分からない場合もあります。

特に今は1人審判で副審がいないため、ラインを割ったかどうかの正確なジャッジは難しいのが正直なところです。

出来る限りよくプレーを見て不公平の無いようにする必要はありますが、1人だと限界があるので、「疑わしきは罰せず」ぐらいの気持ちで臨みましょう。

得点かどうかのジャッジ:試合前の用具チェックが大切

得点かどうかのジャッジは試合の勝敗に直結するので難しく考えがちですが、あまり難易度としては高くありません。経験上明らかに得点が認められるような「はっきりゴールに入った」とわかるゴールの方が圧倒的に多いです。

それよりもゴールやゴールネットの不備による「紛らわしいゴール」の方が多いです。

ゴールネットに穴が開いていると、シュートが入ってもボールがゴールの外に突き抜けてしまうので、見る角度によっては入っていないように見えることがあります。

また、サイドネットをしっかりとゴールに固定していない場合、ゴールの外から入ったボールがゴールに入ったように見えることもあります。

このような紛らわしいゴールを防ぐためにも、ゲーム前にゴール及びゴールネットの確認は必ずしておきましょう。

反則かどうかのジャッジ

反則かどうかのジャッジも非常に重要ですが、初心者の方には少し難易度が高いと言えます。一瞬の出来事を見て判断しなければなりませんし、反則の種類によって再開方法が異なるからです。

下記に試合中で起こりがちな反則とプレーの再開方法をまとめてみました。

代表的な反則となるプレープレーの再開方法審判のジェスチャー
オフサイド関節フリーキック片腕を垂直にまっすぐのばす
ボールを手で扱う(ハンド)直接フリーキックフリーキックをするチームが攻める方向を指す
ペナルティエリアの中で守備側が
直接フリーキックになる反則をする
ペナルティキックペナルティーマークをさす
ファールスロー相手チームのスローインスローインをするチームが攻める方向を指す

いずれの場合も、笛を吹いて反則があったことを合図した後にゼスチャーでその後の再開方法を示します。慣れないうちは難しく感じるかもしれませんが、手でボールを触ったら「あ、ハンドだな」足を引っ掛けてこかしてしまったら「今のプレーは危ないな」という感じで少しずつ感覚を掴んでいきましょう。

ただしオフサイドはしっかりとルールを理解しておく必要があります。詳しくはサッカー競技規則2021/22の第11条「オフサイド」をお読みください。

また、機会は少ないですが、反則によってはイエローカード(警告)やレッドカード(退場)を出す必要もあります。こちらに関しても様々な条件によって変わってきますので、詳しくはサッカー競技規則2021/22の第12条「「ファウルと不正行為」をお読みください。

最近増えてきた『ドロップボール』とは

ルール改正により試合の中でドロップボールをする機会が格段に増えました。ドロップボールというのは、反則やボールがコートに出た時以外の理由でプレーが止まった場合に再開する方法です。

特によく見るのは、審判にボールがあたってボールを保持するチームが変わってしまった場合です。改正前はそのままプレーを続行していたので良かったのですが、今は審判にボールが当たったら笛の合図でプレーを止めて、もともとボールを保持していたチーム(最後にボールに触れたチーム)の選手一人がドロップボールで再開します。

ドロップボールをする場所は最後にボールを触れた位置(この場合は審判にボールが当たった位置)で審判が腰ぐらいの高さから落としたボールが地面に触れたら再開です。

この時にドロップボールに参加する一人以外の選手(味方も相手も)はボールが地面に触れるまで4m以上ボールから離れる必要があります。

小学生の試合の場合、思わぬ方向からボールが飛んでくることがありますので、もし自分にボールが当たってボール保持が変わっても落ち着いて対処しましょう。

準備するもの:審判服は着た方がいいです

サッカーの審判をするにあたりいくつか準備をしておきたいものがあります。

競技規則では主審の基本的な用具として以下の4つが記載されています。(第5条「主審」5項)

プレーの開始/再開/終了の合図のところでも書きましたが、笛(ホイッスル)は必須です。

体育の先生みたいに首から紐で下げるタイプは、走る時に邪魔になるのでお勧めしません。手首か指にかけられるタイプのものが使いやすくてお勧めです。

プロ仕様の笛の中には3千円以上するようなものもありますが、ストラップ込みで千円以内のものでも十分です。

ただし試合の途中で壊れるといけないので、あまりに造りが安っぽいものは避けた方が良いでしょう。

時計:スマホはNG

タイムマネジメントをする上では時計も必須です。

ここでいう時計は腕時計のことです。低学年の試合などでは、審判の手首くらいの位置に子供の顔が来るようなシチュエーションもあるので、ステンレスなどのメタルタイプよりも樹脂やゴム質の素材のタイプの方が安全です。

ごくたまにポケットからスマホを取り出す人もいますが、選手の安全面から考えてNGです(何より使いにくいです)

レフェリー専用モデルの腕時計もありますが、値段が高いのがネック。取り急ぎGショックなどを持っている人はそれを使ったので全然OKです。

アップルウォッチなどのスマートウィッチでも大丈夫ですが、不用意に触って時間がとまるなどの誤作動がこわいので、チープカシオのスポーツタイプみたいな安くて丈夫な腕時計を一つ持っておくと便利ですよ。1,500円前後で手に入ります。

レッドカードとイエローカード

使用頻度は少ないですが、審判をするならイエローカード・レッドカードも必需品です。

後述する記録用紙も収納できるような、カードケースとセットになっているものが便利です。

1,500円前後で販売されています。

ノート(記録用紙・ペン)

ノートというか記録用紙とペンも必須です。主に前後半ごとに得点を記入したりします。

公式戦やカップ戦では運営本部から支給されることもありますが、練習試合などの時は自前で準備する必要があります。

市販のものを購入する必要はないので、エクセルとかで自分なりにわかりやすいものを作ってプリンターで印刷するのもいいでしょう。

審判服(推奨)

公式戦やレギュレーションに明記されている試合以外では、審判服の着用は任意です。

しかし僕は2つの理由で審判服の着用をお勧めします。

ひとつ目は、選手と区別がしやすいことです。

審判服を着ない場合、大抵ご自分の練習着やチームで揃えたウェアなどを着て審判するのではないでしょうか。自分のチームとは被らなくても対戦相手のチームと同じまたは近い色のウェアになってしまった場合、紛らわしくプレーへの影響も考えられます。

その点黒色の審判服なら、まず選手と間違えることがないので安心です。(黒以外はお勧めしません)

二つ目は、信頼性が高くなることです。

少し感覚的なお話になりますが、やはり審判服を着て審判をした方が、プレーする選手からの信頼度も増すし、ゲームをコントロールしやすいです。

何よりも審判服を着た方が、自分自身自信を持って審判をすることができる気がします(これも個人の感想です)

とは言え審判服はそこそこ値段が張るものなので、この先頻繁に審判をする機会がありそうならMy審判服を持っておけばいいし、そうでないなら黒っぽい服を着てごまかすと言う手もあります。

審判服はシャツ・パンツ・ソックスの3点セットで7,000円前後くらいから売られています。

小物類はセットで揃えた方がラク

パラパラと説明してきましたが、審判服はさておき、笛やカードケース・トスコインは自分専用のものがあった方が何かと便利です。特に笛は他の人とシェアするのは気が引けますしね。

初めての方には必要なものが全て詰まったこちらのようなセットもあります。

試合開始までに両チームのユニフォームの色は確認しましょう

試合が始まるまでに、両チームのユニホームの色をチェックしておきましょう。

対戦する両チームのユニフォームの色が近いと、見間違いをして誤審をするなどジャッジに悪い影響が出ます。

また見落としがちですが、ゴールキーパーと対戦チームのフィールドのユニフォームの色が近いのもよくありません。ゴール前の混戦になった時などはファールが起きがちなので、しっかりと見るためにも試合前に確認しておきましょう。当日ですが、まずどの試合で自分が審判をするのか確認しましょう。

もしユニフォームの色が近い色の場合は、コイントスを行い負けたチームにユニホームを変更してもらうかビブスを着用してもらうようにしましょう。

まとめ:自信を持ってジャッジしよう

経験者でも審判をするのは緊張します。僕もいまだに審判は苦手です。

でも、ルールやを理解してしっかり準備して試合に臨めば、気持ちに余裕を持って試合を進めることができるのは確かです。

あやふやな態度や笛の音が小さかったりすると、それだけで自信がなさそうな印象を与えてしまい、選手や周りからの信頼性を損ねます。

たとえ判断に迷うプレーだったとしても、自信を持って毅然とした態度でジャッジすることが大切です。

どんなに経験豊富な人も、最初に審判した試合は緊張しただろうし失敗もたくさんしたはずです。まずは練習試合などで最初の一歩を踏み出して、あなたも審判デビューをしてみましょう。

今回は未経験でもわかりやすいサッカー審判のやり方についてのお話でした。

ではまた!

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